公開日 2025年6月20日
2025 なるほど “ザ” 人権講座が開講しました。
部落差別と向き合い、やさしい社会を子どもたちへ。
6月19日(木)、九重町隣保館にて、2025年度人権講座の第1回が開催されました。
この講座は、こども園や小・中学校に通う子どもたちの保護者を主な対象として「部落差別問題」を中心に
一人ひとりの人権について考える学びの場として、毎年継続的に開催しているものです。
今年度は、全5回のシリーズを予定しており、今回はその初回となります。
今回は講師に佐藤明郎さんをお迎えし、「人権を学ぶことは、自らが心豊かに生きること」というテーマのもと
講演とワークショップを組み合わせた対話型の講座を実施しました。
講演では、「人権とは何か」という基本的な問いかけから始まり
講師ご自身の部落差別との出会いや差別に気づいていった過程について語られました。
また、「差別のことをあえて話題にしないほうがよいのでは」といった、
“寝た子を起こすな”という考え方についても触れ、そうした姿勢が問題の存在を見えにくくし
解決を遠ざけてしまうことがあると指摘されました。
ワークショップでは、前半の講演を参考に、参加者同士がグループに分かれて対話を行いました。
自らの考えを言葉にすることに加え、他の参加者の思いや経験に耳を傾けることで
人権についての理解を深め合う時間となりました。
参加者からは、「こんなふうに語り合う機会はなかなかないので貴重だった」
「人の話を聞くことで、自分の見方も変わった」といった声が聞かれ
人権についてより身近な問題として考えるきっかけになったという感想が多く寄せられました。
人権とは、特別なものではなく、日々の暮らしの中にある一人ひとりの大切な権利です。
まずは保護者一人ひとりが自らの気づきを持つことが、やがて保護者同士のつながりへと広がり
その思いが子どもたちにも自然と伝わっていく。
そうした積み重ねの中から、差別のない、やさしさと尊重のある社会が少しずつ築かれていくことを願っています。