公開日 2025年10月1日
更新日 2025年10月15日
情プラ法ってなに?
情報流通プラットフォーム対処法※1(通称「情プラ法」)は、インターネット上の誹謗中傷や権利侵害情報への対応を強化するための法律です。この法律は、2002年に施行されたプロバイダ責任制限法を改正し、2025年4月1日に施行されました。SNSや匿名掲示板の運営事業者に対して、「削除要請への迅速な対応」と「運用状況の透明化」を義務付けています。
目的 インターネット上の誹謗中傷や権利侵害情報の流通・拡散を抑制し、被害を防止すること。被害者の救済を迅速化すること。
対象 主にSNSや匿名掲示板などを運営する大規模プラットフォーム事業者※2
義務 「削除対応の迅速化」
・削除を受け付ける窓口(ホームページのアドレスなど)を明確にすること
・専門的な知識経験を有する侵害情報調査専門員を選任すること
・削除を求める申し出を受けた場合、原則7日以内に対応を判断し、結果を通知すること
「運用状況の透明化」
・削除基準の策定・公表、削除件数や理由の年次報告など
・削除した場合、削除した事実と理由を発信者へ通知すること
罰則 義務に反した場合、国は是正勧告や命令を行うことができ、従わない事業者には最高で1億円の罰金が科される。
近年、インターネット上での誹謗中傷や権利侵害が深刻化しており、トラブルの増加や誹謗中傷された人が自死するなど、大きな社会問題となっています。この法律により被害者の迅速な救済と誹謗中傷の拡大防止が期待されます。しかし、いくつかの問題点も指摘されています。削除の判断基準が事業者まかせであること、最終的な判断は事業者の自主性に委ねられていること、そして被害者以外の第三者による濫用リスクなどです。こうした問題点を解決し、発信者の「表現の自由」とういう重要な権利・利益のバランスに配慮しつつ、より効果的な運用をめざすことが望まれます。もちろん、私たち自身がSNSにおける誹謗中傷の加害者にならない、ということも大切です。他人を傷つけるような言葉を書き込んだり虚偽情報の拡散者にならないよう、相手を尊重すること、自分と異なる意見でも受け入れる柔軟性を持つこと、そして自分の言葉に責任を持つことが重要です。SNSの向こう側にいるのは自分と同じ生身の人間であることを忘れないでください。
※1 正式名称は「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」
※2 平均月間発信者数が1000万以上、または平均月間延べ発信者数が200万以上などの基準を満たした特定電気通信役務提供者[Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、LINE、Youtubeなど]